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2025.11.04
ブログ

相続について③

こんにちは。前回は「相続財産」の概要についてご説明しました。今回は、相続人、相続財産を確定し、その財産を相続するかどうかを決めた(相続放棄や承認)後の手続きについての概要をご説明します。

●準確定申告
被相続人(亡くなった方)が年の途中で亡くなった場合は、相続人が、1月1日から亡くなった日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に申告と納税をしなければなりません。これを「準確定申告」といいます。

●遺産分割
「遺産分割」とは、被相続人が亡くなったときに有していた財産(遺産)について、個々の相続財産の権利者を確定する手続きです。遺産分割の手続きとしては、「遺言による遺産分割」・「協議による遺産分割」・「調停による遺産分割」・「審判による遺産分割」があります。ここでは、「協議による遺産分割」(遺産分割協議)についての概要をご説明します。(「遺言」については、次回のブログでその概要をご説明します)

●遺産分割協議
遺言がない場合や、遺言があっても遺言で取得財産が包括的に定められている場合(例:妻に2分の1、長男に2分の1)などのときには、遺産に属する物または権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して財産を分ける協議をします。これを「遺産分割協議」といいます。

・遺産分割協議は
 ・共同相続人全員の合意により遺産を分割します。
 ・被相続人が遺言で分割を禁じた場合を除き、いつでもその協議で遺産の分割をすることができます。つまり遺言があっても、協議によって遺産分割を行う場合があるということです。
 ・分割の方法については、現物分割、換価分割、代償分割などの方法があります。
  ・現物分割⇒相続財産そのものを分ける方法です。
        例:この建物は妻に、この宅地は長男に、この株式は次男にそれぞれ取得させる
  ・換価分割⇒相続財産の全部または一部を現金化して、そのお金を相続人で分ける方法です。
        例:相続財産の不動産を売却し、その売却代金を分割する。
  ・代償分割⇒特定の相続人が財産を現物で取得し、その代わりに他の相続人に代償金(お金)を支払う方法です。
        例:建物を長男が相続し、他の兄弟にはその兄弟の持分相当の金額を支払う。

●遺産分割協議書の作成
 遺産分割に関して共同相続人間で合意が成立した場合は、協議の内容を証明するため、「遺産分割協議書」の作成をします。「遺産分割協議書」には共同相続人全員が署名・押印しなければいけません。「遺産分割協議書」は不動産の相続登記や被相続人名義の預金の名義書き換えなどの手続きにも必要になる場合があります。

 ・「遺産分割協議書」作成上の注意点
  ・誰がどの遺産を取得するのかを明記する必要があります。
  ・取得すべき遺産については、それを特定するに足る事項をできるだけ詳細に記載すべきです。
  ・現在判明していない相続財産が今後発見された場合、誰にどう分配するかについても決めておくべきです。
  ・住所の記載は、住民票や印鑑証明書に記載されているとおりに記載します。
  ・捺印は実印でします。
  ・銀行、証券会社などによっては、自社専用の決められた様式に相続人全員の実印による押印を要求するところがあるので、あらかじめ銀行等に確認し、必要があれば、協議書に対する   
   捺印と同時に、専用書類への押印を済ませられるようにするようにします。
  ・作成する通数は、各相続人が1通ずつ所持できるよう、相続人の人数と同じ通数を作成すべきです。

●まとめ
今回は、「遺産分割協議」などについての概要をご説明しました。「遺産分割協議書」の作成については、専門的な知識が必要である場合もあり、有効な「遺産分割協議書」を作成するのが難しい場合があります。不安な点がある場合には、専門家に相談することを検討してみてはいかがでしょうか。

作成者
行政書士・宅地建物取引士
中原 健詞
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